2008年4月17日木曜日

深読み第3弾『シークレットシークレットPV』完結


その3完結で~す。


いわゆる大人の事情で(商品宣伝効果)一部割愛されたが
三部作、PSPS、TSPS、チョコレイトディスコ
は比類なき輝きを帯び始める時期にあたる。
そしてポリリズムの光彩が広く照らされ
Perfumeの存在は音楽人を瞠目させることとなる。

オリジナルアルバム"GAME"リリース

シークレット♪・・・
教示された秘密
本当の君が知りたい♪に対する
「教えられないけど解いて欲しい」願いが込められている。
だが苦慮する
直感的にどこかネジれていて、パラドキシカル(逆説的)な印象をもつのだ。
ななめから恋しながら秘密を解きたい。

ここでは当然ながら"かしゆか"に着目する。
QJの2人からのメッセで悩んでいた近況があったことは確か、
妄想で関連づけるにしても情報がない、悩んでいた事実のみ依拠。
"かしゆか"だけ指先が赤いのはなぜだろう
指先の赤は触れたがための鮮血なのだ。
いいかえれば、かしゆかは触れる事をした、あるいは出来た
鮮血を覚悟で・・・
"かしゆか"がなぜ突然停止したのか
エネルギーの消耗が大きかった(がんばった)、あるいは自発的に回路を閉じた
それができた・・・・鮮血の代償
メイクブースでの仕草は意味をもつのか
こちらに視線を送りつつもすぐに目をそらし無表情(人形に戻る)。
融合と乖離・・・


ここで言うキーワード乖離とは
実存たる自分とPerfumeの中で演じる自分(ペルソナ)を分かつ必然である。
趨勢として乖離した2つは次第に距離をもちはじめ常に付きまとう心痛が呼応する。

社会的仮面(ペルソナ)は彼女達にとって個人的無意識に潜む影である。
神話やファンタジーで登場する宿敵、つまりそれは自分の影である。
影が増大すれば自分との戦いは熾烈となり鮮血を浴びる。
自我は多面的な心の衝動との相互作用で醸成し自己実現を得ようとする。
その源泉の中で葛藤が生まれ痛みや罪悪感が表出する。
コントロールを誤れば自己放棄や狂気につながる恐ろしい怪物の棲家でもある。

融合と乖離・・・自在性の獲得
この場合、影との戦いに終結はない、時に勝敗を分かつ、なぜなら
優れた資質も影に分かたれているからだ。
信じるものが「心にある真実」に近ければ近いほど影を御すすべを知る。
そして影自体にも2面性があることに気付くべきなのだ。
意識される事象に振り回される事なく心にある自分を思惟することが
自在性獲得の手段である。
つまり自在性の獲得とは
時に自分の中の悪(影)を利用しながら信じる方向に進んでゆく決意
それが彼女たちに必要な成長であり、手をとって勢いよく駆け上がる
条件だったのである。
そのメタファを"かしゆか"に託し秘密を込めている。

メイクブースでの仕草は
視線の投げかけを端的に表現すれば
それは子供の目であり
それは大人の目である。
その選択の瞬間をインサートしたカットである。

なぜ"かしゆか"なのか
出現と獲得はあ~ちゃんが最初で自然に足りないものを補うように身に付けたと考えられる。
後発な誘導をみるが実は"かしゆか"が次、そして最後がのっちである。
おそらく"かしゆか"はのっちに一役買った経緯があるようだ。
象徴的に思えるのは
最初の屋上シーンではPINOを手に持ちヘゲモニーを象徴しているのはあ~ちゃん。
戯れる2人はアイスを口もとに運ばれるが口に出来ない。
最後の場面ではPINOを持っているのは"かしゆか"である。
そして、そろって3人がアイスをパクリと口にするのだ。
"かしゆか"停止シーンではあ~ちゃんが事態を察知(ねぎらいを込めて)口に運ぶ、
そしてのっちが(感謝を込めて)手を差し伸べ一緒に階段を上るのだ。

そして「それは運命なんだね♪」
実像たる自由意志の結実であるのだがそれと同時に
虚像(ペルソナ)が唄う運命の帰趨でもある。
威勢良く駆け上がるにはアンビバレンツな様相は避けられないのだ。
運命という宿命性を標榜するのは戦略的価値の選択にすぎない。

うしろ姿が切ない~
本当の君が知りたい♪
それは影を許容し静謐なる決意を秘めた陰影深い彼女たちというべきか・・・
普遍的なテーマである「私とはなにか」にたちもどる。
それは彼女たち自身に発せられた言葉でもあるからだ。
確かにいえる事はひとつだけ
彼女たちの本質にある純粋な真心は変りようがない
それを信じることができる自分である。


パラドキシカル(逆説的)な・・・
最後のシーン「あっ (あら・・・)食べましょ・・・」
彼女たちのコスチュームに気付くべきである
PTVスタッフサイドつまり製作者側の立場にいる
Perfumeを明示している。
操るのもまた彼女たちなのだ。
自在性の獲得を証明してエンディングを飾る。


最後に
それを超えるとは
超えるものの予感とは

すぐれた楽曲やPVは彼女たちの武器である。
メディア露出は個性や人間性の発露の場であり
見るもの聞くものの共感をかよわせる手段である。
だがそれは彼女たちだけのものではない・・・

"Perfume"彼女たちにあるもの
豊かな色合いを帯びてゆくためには雨が降り虹がかからなければならない
雨は降った。 長い年月。

脳が作り出すもの

音源がつくる空気の振動をそのまま聞いている訳ではない。
高い周波数が低い音を作り出す。
それは脳が作り出してしまう存在しない音。
ミッシングファンダメンタル


光りの分散〈プリズム効果)による7色の波長域の先に作り出される
思念の色調すなわち輝き
ミッシングファンダメンタル

"かしゆか"の言葉でああと思った。
色がついていない・・・
聴く人の解釈の裾野が広い    
聴く人がいてはじめて曲が完成する。 
まさに本質を語った。

音楽とはひいては芸術とは人に届いてそれぞれの
クオリアが伴ないはじめて完成されるという事である。
この妄想の有意性を示唆する。

"Perfume"彼女たちにあるもの
・・・・


心に残った言葉
「2人のとき悲しいくらい絵にならなくて」(のっち)


小5で出会った3人が哀歓をともに過ごし、
そして今でも「ずっと3人でいたい」と言った。
・・・・泣きました。

アイドルが踏み込めない領域をPerfumeは軽々ふみこみ飛び越えていく
ロックの猛者たちは彼女らの後姿を尻目に呟く・・・
あれ、、こいつらヤバイ・・・
おれは快哉を叫ぶ!
ロックとは自由の音なのだ!!!!

P.S.
あ~ちゃんいちご狩りおれも連れてけーっ!

読解個人篇はGAME編にまわします。

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